慶應義塾大学文学部社会学専攻
鈴木正崇研究会の紹介
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<専攻分野> | |||
文化人類学・宗教学・民俗学
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<研究領域・研究対象> | |||
文化人類学(民族学)の立場から、アジアの各地をフィールドとして民俗宗教や祭祀芸能、民族の動態などの調査と研究を進め、異文化理解や他者理解を目指しています。研究主題は、当初は儀礼や世界観が主体でしたが、現在では観光開発、民族問題、世界遺産、サブカルチャーにも関心を広げています。主な調査地は、海外ではスリランカ・南インド・西南中国(少数民族)で、日本では民俗社会を中心に、祭祀、芸能、山岳信仰、空間論、コスモロジーなどの考察を行ってきました。アジアを歩きながら、人間の知の領域を拡大して、柔軟で多様なものの見方が出来るようになることを心がけています。 学問への関心は1971年のユーラシア大陸の放浪に始まりました。ヨーロッパからアジアへと車で辿り、トルコ、イラン、アフガニスターン、パーキスタン、インド、ネパール、タイを経巡る旅で、異なる文化や社会に触れた体験を基盤にして、文化人類学の領域に踏み込むことになりました。1973年以降、しばらくの間は日本各地を歩き、沖縄から東北まで、農村・漁村・山村で祭祀や芸能、修験道や神楽、仏教儀礼の調査を行いました。1980年から海外に出て、スリランカ南部の農村では村人とのつきあいを通して、世界観や人生観、国家との関係による社会変化の動態を研究しました。1983年にシンハラ人とタミル人の民族暴動が起って対立が激化して以来、エスニシティやナショナリズムの問題も視野に組み込むことになります。1984年以降は比較の観点からインドの調査を開始し、南インドのカルナータカ州とケーララ州、北インドのビハール州とアッサム州、ナガランド州で調査を行い、現在も継続中です。並行して、西南中国の少数民族の調査を開始し、1981年の雲南と海南島、1983年の貴州の調査を皮切りとして現在まで継続しています。貴州省や広西壮族自治区でのミャオ(苗族)やヤオ(瑶族)が中心ですが、トン(?族)・プイ(布依族)・スイ(水族)でも調査を行い、雲南、四川、湖南、福建、広東、海南の各地ではイ(彝族)・トゥチャ(土家族)・チベット(蔵族)・漢族の調査を行いました。ビルマ、インドネシア、ベトナム、韓国、トーゴ、フィリピンでもフィールド体験を得ています。海外と並行して日本の調査も行って、民俗学の現代的再生に取り組み、歴史的な考察も含めて各地での調査を継続中です。 現代世界では、異なる文化の人々の交流が盛んになり、伝統文化が急速に変貌して、文化摩擦や民族対立が各地で起こっています。人類学者として、アジアの人々の暮らしの原点を探求して、相互理解を深め、人類の今後の生き方を再構築する実践や観念を見出したいと考えています。 参考:研究最前線http://www.flet.keio.ac.jp/res/report-suzuki.html |
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<主要業績> | |||
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<構成人数> | |||
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<活動状況> | |||
本ゼミでは現代の世界を多元的に理解するために、宗教・歴史・文化が密接に交錯する地域の諸相を、アジアを中心に考察することを目的としています。3年生は、テーマに沿った本や論文を選定して各人に割り当てて読んでもらい、レジメを作成して発表し討論する形式です。2013年前期はアジアの観光を主題に、『観光経験の人類学』『グローバル化とアジアの観光』『ふるさと資源化と民俗学』『貧困の超克とツーリズム』を取り上げ、後期は『コンタクト・ゾーン』を主題にしています。現在、成田山門前町調査を行っており、2013年7月には、学部生12人、大学院生10人が成田祇園祭の山車・屋台を引く行事に参加しました。2014年も希望者がいれば参加する予定です。
サブゼミでは春学期は大学院生をチューターとして、日本研究の本を取り上げてきました。これまでに取り上げた本は、『日本人はなぜ無宗教なのか』『「世間」とは何か』『結婚式 幸せを創る儀式』『文化の社会学』『都市の暮らしの民俗学』『「お墓」の誕生』『いのちの文化人類学』『趣都の誕生』『都市のドラマトゥルギー』『東京スタディーズ』『宗教と社会のフロンティア』『文化人類学で読む日本の民俗社会』などです。秋学期はフィールドワークを中心にした共同研究を行います。過去の調査地は代官山・麻布十番・浜松町・浅草・高円寺・秋葉原・下北沢・戸越銀座・上野・新大久保・御茶ノ水・月島・巣鴨などです。共通テーマ(健康観、口頭伝承、身体論など)を研究したこともあります。2013年度は「原宿」のフィールドワークを行う予定です。 卒業論文は3年生は夏休み明けに主題を提出し、秋学期に面談を行って、少しずつ内容を絞り込みます。4年生は、春学期、秋学期ともに卒論の発表が主体となります。現在の在学生は第26期生と27期生で、ゼミのOB・OGは総計400名近くに達し、年1回OB会を開催して相互の交流を深めています。過去の学部生の卒業論文と大学院生の修士論文、及び博士論文の題名は、ゼミのHP(http://keioanthropology.fc2web.com/)に掲載されています。 |
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<合宿> | |||
文献を読むだけでなく、フィールドワークによって、地域や社会での体験を通じて人間や社会の理解を深めるために、合宿では地域の人々と話の出来る機会を設けるべく努力しています。春合宿と夏合宿があり、祭りの見学を兼ねてフィールドワークへの入門とする企画を多く盛り込みます。合宿一覧は以下の通りです。
夏休みにはインドネシアのバリ島の村でホーム・スティをしてフィールドワークをすることもあります。希望者の参加です。南インドに行ったこともあります。 |
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<他学部・他学科生の受け入れ状況> | |||
他学部の学生も受け入れますが、原則として12月中旬頃に行われるゼミ選考試験を受けて頂きます。ゼミ掲示板に知らせが出ます。但し、テーマによっては中途からの聴講や参加を許可することもあります。これまでに商学部・法学部・経済学部の学生を受け入れ、他専攻の学生は英文学・国文学・日本史・美学美術史・人間科学専攻を受け入れています。
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<その他> | |||
学内では慶應義塾大学東アジア研究所を拠点として、他学部や他大学との共同研究や、海外の研究機関及び研究者との交流を進めて、研究会やセミナーを開催しています(http://www.kieas.keio.ac.jp/)。一般向けには、東アジア研究所講座を隔年で開講し、2006年度は「東アジアの近代と日本」が主題で全12回の講演が行われ、講演集を出版しました。2008年度は「東アジアの民衆文化と祝祭空間」が主題で全14回の講演が行われ、講演集は日本図書館協議会選定図書に選定されました。2010年度は「南アジアの文化と社会を読み解く」が主題で全15回が行われ講演集として出版しました。2014年度は「アジアの文化遺産―過去・現在・未来―」と題した連続講演(12回)を行う予定です。
なお、不定期ですが、慶應義塾大学人類学研究会と木曜会(民俗学の研究会)を開催して、学外の研究者との交流を深めております。日程はホームページでお知らせしています。参加資格を問うことはありませんので、自由に参加できます。 |
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